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「データ」と「感覚」から
   リアルアンサーを探る

安彦 考真 Jリーガー/格闘家

ジーコ氏がもつJリーグ最年長初出場記録を更新(41歳1ヶ月9日)、さらに2021年には格闘家としてデビューを果たし、常に挑戦し続ける安彦考真さん。強靭な肉体と精神を作りながら挑戦する過程で出会うようになりました。検査数値が示す客観的「データ」と「感覚」を融合させ、自分にとっての正解を探し求めている安彦さんに話を伺いました。

二人三脚で見つける「自分の取扱説明書」

安彦:出会った当時、夏場に疲労感や集中力の低下など体調不良を感じることが多かったんだよね。年齢もあるとは思っていたけれど、それにしても疲れるしコンディションが整わなかった。さらに怪我もしていたのでこのままだとまずいなと思っていた。でも一般論や教科書通りの内容を押し付けられる栄養指導が嫌いで、今までそういったサポートを受けたいと思ったことがなかった。しかし、検査データなどから個体差を考慮した提案してくれると聞き、それなら話してみたい!と思ったのが岡ちゃんとの出会いだね。
岡田:そうでしたね。一般論でアプローチしても解決されない場合も多々あります。個人的には個体差を考慮したアプローチが最大のポイントだと考えています。

安彦:「一般」という言葉が苦手だったね。一般的な話が自分に当てはまるとは決して思えなかった。実際に良いと言われている事を試してみても、体調不良は一向に改善されない状態が続いていた。そんなときに岡ちゃんと一緒に血液検査の結果から見えてきたこと、教えてもらったことは色々あったね。うれしい発見でいうと、貯蔵鉄を表すフェリチン値が異様に高かったこと!笑
岡田:そうでしたね。鉄は酸素を運ぶ上で重要な栄養素なので、トップアスリートや優秀な経営者の方はフェリチン値が高い人が多い傾向にあります。フェリチン値が高い反面、不足している栄養素もいくつかありましたし、アビさんの繊細な一面がデータからも現れていましたね。
安彦:そう!俺、意外と繊細なんだよね。遠征に行くとリズム狂いがちだったり、そんな内面の部分にも気付いてくれたよね。岡ちゃんと話す中で、自分自身のトリセツ(取扱説明書)が確固たるものになってきた事が収穫だったよ。
岡田:「データ」と「感覚」を融合させていくなかで、一つ一つ答え合わせをしていった感じでしたね。

否定せず、実践して「検証」する

安彦:色々と試行錯誤し、体調不良の末たどり着いたヴィーガンという食事方法には拒否反応を示す人も多いけど、岡ちゃんは受け止めてくれたのが嬉しいよね。
岡田:選手が取り組もうとしているからには、そこに目的や意図があるので、まずはその想いを受け止めたいですね。その上で実際にどういう変化があったのか?を検証しながら本当にその選手に合っているのかを探っていくスタンスでいます。
安彦:ヴィーガンフードや緩めのファスティングにより、花粉症が改善し炎症系の怪我も明らかに減ってきた。効果的に身体を絞れたので走る時も動きが軽くなった感じがしたね。体感的にはとても良かったが、客観的に血液検査データを見てみると、ビーガンに不足しがちな栄養素が不足していることも確認ができ、その時も岡ちゃんが自分に合う補給方法をアドバイスくれたのが有難かった。

「教科書」と「現場」の違い

岡田:ここ最近実施した「ミートチェック」の結果は面白かったですね。
安彦:そうそう!疲労回復に良いとされるビタミンB 1が豊富な豚肉を薦められ、以前からよく豚の生姜焼きを食べていたけれどミートチェックの結果は豚肉が最も自分に合っていなかった…。豚肉を食べた後にむしろ怠くなっていた原因が分かってスッキリしたね。疲労回復に良いとされる豚肉も、自分にとっては真逆の方向に働いていたので驚いたね。
岡田:教科書と現場が違ったケースですね。
安彦:アスリートはよく「タンパク質を◯◯g食べ、糖質を◯◯g食べるのが大事!」と指導されることが多いけれど、自分に必要な栄養素は何か?それを自分は消化・吸収できる環境・コンディションなのか?タイミングは自分にとって適切なのか?ということを考慮しないと、全く意味ないこともあるよね!このことをアスリートだけでなく、多くの運動をしている中高生に伝えたいね。

なりたい自分への「ヒント」を求めて

安彦:岡ちゃんに会うまでは「食べろ!とにかくアスリートは食べることで体を作る!」と言われることにうんざりしていたし、何を食べているのか?ばかりチェックされて自分自身をきちんと見ていないのではと感じていたけれど、岡ちゃんはきちんと自分の内面の部分と「データ」に現れてくる事実を通して、自分自身を見てくれているのを感じるね。
岡田:「素人は知ろうとする」もっと知ろうと探索する気持ちを忘れないようにするというのを常に大事にしています。自分が知っているというおごりは、相手を知ろうとする気持ちを薄れさせるのでいつまでも素人(知ろうと)でいようと思っています(笑)
安彦:良い言葉だね!!岡ちゃんに出会ってコンディションもいいし、何より楽しいよね!
岡田:それは嬉しいですね。
安彦:なりたい自分やなりたい姿を伝えたら、それを実現するにはどうしたらいいかを岡ちゃんがいくつか方法を提案してくれる。そこから自分で方法を選ぶし、さらに見つけに行く。その過程が楽しい。
岡田:現時点でアビさんのなりたい姿はありますか。
安彦:これからは格闘家として減量についての理論を確立したいと考えてるよ。自分で答えを探すために必要なヒントを教えてもらえるのがワクワクするね。とにかく、自分の体に疑問がある人、なりたい姿がある人は岡ちゃんに尋ねるのが良いと伝えたいね!

既成概念にとらわれずにTry&Errorを続ける安彦さん。自分のトリセツ(取扱説明書)作りを通して、己を知ることは本当の強さに繋がります。さらに楽しみながら継続しているところにも強さの理由を垣間見ることができました。時を重ねる毎に進化し続けるために「データ」と「感覚」から正解を探し求める二人三脚が続きます。終わることがない安彦さんのチャレンジにこれからも目が離せません。

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