アスリートサポート
「凡人」が「プロ」になる鍵はOff the Pitchの「考動力」
下澤 悠太 Jリーガー
J2ブラウブリッツ秋田の背番号10番を背負う下澤悠太さん。幼い頃から3つ年上のお兄さんと一緒にサッカーを遊びとして楽しみ、小学校2年生の頃に本格的にサッカーを始めました。大学へ進学後にプロサッカー選手となり現在2年目を迎え、自分の身体と向き合うこと、そして今後の目標などを幅広く伺いました。
失敗を「科学」し、自分の「成功」を掴む
岡田:初めて会ったのは悠太(下澤さんの呼び名)が法政大学に入学してすぐだったよね。
下澤:はい、サッカー部の先輩に紹介してもらい竜一さんと出会いました。元々栄養について好奇心がありましたが、はじめて知った分子整合栄養学という考えが衝撃的で、細胞レベルで効果的なアプローチで力を入れれば入れるほどパフォーマンスが向上するのが、のめり込んだ理由ですね。
岡田:悠太が勉強家だからこそ、一緒に成長できた部分が大きいと思う。当時は疲労の面で悩みを感じていたよね。
下澤:はい、血液データに基づいて「なぜ疲れやすいのか」を教えてもらい、栄養対策を始めてからは体感的に驚くほど変化ありました!無限に走れる気がするほど疲労を感じなくなりました。相対的に他の選手と比較しても疲れ方が違う!という実感があり、それが自信にも繋がりました。自分に合った対策が分かり効果を実感できるので学びたい気持ちが増しました。
岡田:悠太は考えて行動する力がある。初めて会った時にも同世代の他の選手と違うものはすぐに感じたけど、その考えて行動する「考動力」の理由はあるの?下澤:人と同じことをしてはダメだという考えはずっと根底にありました。以前から本は常に読んで考えることも多かったのもあります。最近は「失敗の科学」という本を読んでいました。「成功はアート、失敗はサイエンス」という言葉もありますが、成功は偶然でしかなく、失敗する理由にはパターンがあり科学として学ぶことができる。失敗から学び成功に繋げるには…という本で、すごく面白いです!
岡田:気になる内容だね!さっそく購入して読んでみるね。
「考動力」が生み出すメンタルタフネス
下澤:竜一さんとのセッションはいつもワクワクしています。視覚に関するトレーニングでカラーチューニングをした時も驚きの連続でした。僕にとってはブルーが可柔軟性や筋力を高めることが分かりました。
岡田:個人差がある分野だけれど、悠太ははっきり効果が出たね。しかもブラウブリッツ秋田のチームカラーを同じだね。
下澤:ブルーは自分の好きな色でもあり、所属チームの色なので嬉しかったですね。それ以外にも、眼の可動域を高めることで体幹の使い方に違いがでることも竜一さんから教えてもらい驚きました。教わったトレーニングを継続することで苦手だった方向へのターンが早くなり、試合中のプレーでもキレの良さを感じるようになりました。
岡田:眼のトレーニングは地味だけれど、継続することができれば確実に成果につながる。地道なアプローチを苦に思うことなく楽しんで継続することができるのも悠太の良さだね。
下澤:竜一さんに色々な考え方の引き出しを増やしてもらったことでメンタル的にも強固なものになっています。よく「メンタルが強い」と言われるし、実際に人より強いと自分自身でも感じることがあります。でも元から強いのではなくて、引き出しを増やしていったら自然と強くなっていった。考えて行動する力はメンタルトレーニングにもなるので、考えることが自分の原動力です。
怪我は「内側から」治す
岡田:大学の頃に怪我して離脱した時期があったね。
下澤:シンスプリントやりましたね。でも怪我を通しても学びがありました。一般的にはアイシングや超音波といった外側からのアプローチに終始するケースが多いです。しかし、損傷した組織も栄養素で構成されているので「栄養の力で内側からも治す」と教わったのを覚えています。発生した怪我に対処するだけでなく、内側にある原因が分かったので落ち込むことはなかったですね。
岡田:当時は、疲労面の問題はクリアしていたので、人一倍練習していた時期だったね。血液データからも酸化ストレスの値が高く、身体が悲鳴をあげていた状態だった。表面的な解決ではなく、メンタル面も含めて内面からきちんと自分の身体と向き合えるのが悠太の強さだね。
下澤:一般的にアスリートが怪我をすると、早く怪我を治そうと焦ってしまいがちです。ただ外側を治療することで、見逃していることがあるとすると、怪我が治ってもパフォーマンスは上がらない。怪我をしていた期間の焦りや練習不足もあるのでさらにそうなります。そういう失敗の原因を理解して成功に繋げる必要がある。さっき話した本「失敗の科学」や思考の引き出しにも通じる話です。
「努力は才能を凌駕する」を証明したい
岡田:今シーズンは試合に出られない場面が多いけれど、焦らず常に前向きでいられるのには何か秘訣があるのかな?
下澤:人生の目標があると焦らないです。手段と目的が入れ違うことはよくありがちですが、そこを見誤らなければ焦ることは、目的への近道ではないと分かると思います。そういう思考ができているのも、考えの引き出しが増えてきているからだと思います。僕の近い将来の目標が日本代表選手です。いまスタメンとして試合に出られないときに、腐って気持ちが離れてしまうのは、スタメンで出るという手段を目的化してしまっているからです。本当の目標を考えたら、今スタメンに出ることよりもスタメンに出て活躍するためにどうしたら良いのかを考えて、出られる日のために毎日を使う方が最善です。いま、プロサッカー選手2年目ですが、1年目は試合に絡めていましたが、その時よりも試合に出ていない今の方が圧倒的に毎日の充実度が違います。目的に向かって日々努力しているからです。そう考えると焦ることが目的に近づくことではないと分かると思います。
岡田:なるほど!競技以外にも通じる素晴らしい考え方だね。その一方で、育成年代では悠太みたいな考え方ができる選手は多くはない。評価されない環境下では自分の可能性を信じ切れなくなり競技から気持ちが離れてしまう…。こういう悩みを打ち明けられる場面もよくあるんだよね。プロサッカー選手である悠太から話を聞けたら響く選手も多そうだから、是非伝えていってほしいな。
下澤:中長期的な夢にそういう目標もあるので、嬉しいですね。僕は体格的に恵まれていてプロになれたわけではないです。目標を才能で諦めることをなくしたいし、思考を極めれば超えられることを証明していきたい。「努力は才能を凌駕できる」ことを若い選手達に伝えたいです。
習慣化の秘訣は「逃げ道を塞ぐ」こと
岡田:努力は才能を凌駕するというのは、なかなか一朝一夕でできることではないよね。努力を継続するコツはあるかな?
下澤:習慣化するうえで一番簡単なのは毎日やることです。週3回続けると「今日やろうか、明日しようか」という迷いが生まれます。毎日するならその迷いはなく、無駄な思考の時間がなくなります。まずは、習慣化できるくらい無理ない目標を設定して毎日継続することがコツですね。
岡田:そんなに毎日は出来ないという人もいそうだけど、そういう場合はどうしたらいい?
下澤:逃げられない場所を設けることが大事ですね、人は逃げ道があると、そっちに行きがちなので。人それぞれ逃げられない場所は違いますが、それを見つけたら完璧です。実際に今の自分もそういう場所に身を置き、LINE公式アカウントで自分の考えを毎日配信するルールを設けて実践しています。毎日継続すると変わります!まだまだ変化するので楽しみにしていてください!
「凡人であり、才能に恵まれているわけではないけれど、そんな自分でも活躍できることを証明したい」と語る下澤悠太さん。考え・行動する力「考動力」を武器に、サッカー選手としての活躍する姿はもちろんですが、Off the pichで進化し続ける姿に目が離せません。
【note】
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